導入事例インタビュー

「スタートアップも早期から在庫管理に取り組むべき」
ECだけでないオープンロジ活用法とは

株式会社Payke事業戦略室事業推進責任者杉山 元紀様

この記事のPOINT

POINT-1
在庫管理が徹底されず、100台もの在庫が行方不明に。事業・経営の両面に悪影響が。
POINT-2
導入をきっかけに社内の意識改革にも成功。工数を削減し、事業活動も円滑に。
POINT-3
在庫は企業の重要資産。スタートアップも早期から在庫管理体制の構築に取り組むべき。

「世界の買い物消費高を上げる」というミッションをもとに、モバイルアプリケーション「Payke(ペイク)」、およびインバウンド向けマーケティング支援のクラウドサービスを開発・提供している株式会社Payke様。物流アウトソーシングといえばEC事業での利用イメージが強いですが、同社ではEC事業ではなく契約店舗に提供するタブレットの在庫管理・発送業務にオープンロジを利用しています。過去には在庫管理が徹底されず100個以上もの在庫違算が発生していたという同社。事業拡大のフェーズにあたり経営・事業の両面で問題に直面したことをきっかけに、オープンロジを導入しました。
今回のインタビューでは導入を統括された同社の杉山様に、在庫管理の重要性や、EC以外の事業を行う企業における物流アウトソーシングサービスの活用法についてお聞きしました。

日経ビジネス「世界を動かす日本人50」への選出や起業家万博での総務大臣賞受賞など、高い注目を集める同社。創業の地・沖縄では県認定ベンチャーにも認定されている。

消費における情報格差を埋めるサービスで、
世界の買い物消費高を上げる

まず、貴社について教えてください

我々は「買い手(消費者)・作り手(メーカー)・売り手(ベンダー)の三方良しで世界の買い物消費高を上げる」というミッションをもとに、インバウンドの領域で事業を行っています。

具体的には商品バーコードをキーに多言語で商品情報の発信・入手ができるサービスを提供しているのですが、この背景には流通の過程における情報格差という課題があるのです。我々は消費者の購買意思決定において商品の口コミやストーリーといった付加情報が重要だと考えていますが、サプライチェーンの過程でそれらの情報はどんどん削がれていき、消費者が店頭で触れる商品パッケージには最小限の情報が載っているだけ。そこでこうした情報格差・情報不足を改善することが買い物消費高の向上に重要だと考え、現在のソリューションを提供しております。

まず買い手(消費者)向けには、訪日外国人をメインターゲットに商品情報を多言語で表示するモバイルアプリケーションを提供しています。買い物客が商品のバーコードをアプリで読み取ると、事前にメーカー側が登録しておいた商品情報が利用者の使用言語に合わせて表示されるというものです。これまでに日英中国語含む7言語に対応して外国人観光客の約80%をカバーしており、連携アプリも含め400万ダウンロードをいただいております。

次に作り手(メーカー様)向けには、クラウドで管理画面をご提供しています。管理画面からはアプリで表示させる商品情報を自由にカスタマイズできるほか、アプリユーザーの消費行動データを得ることができます。活用することでより効果的に商品の魅力発信やマーケティングを行うことができ、現在消費財や食品等のメーカー様を中心に約1,200社に導入いただいています。

最後に売り手(小売店様)向けには、店頭設置用のタブレットをご提供しています。店頭に弊社のタブレットを設置していただくことで、アプリを持っていない訪日外国人の方でもタブレットにバーコードを読み込ませ多言語で商品情報を確認することができます。オープンロジは、現在こちらのタブレットの物流において利用しています。

同社は各契約店舗へタブレットをリースで提供している。既に都内にも設置店舗が多数。

利用を検討し始めたのは、どのようなタイミングだったのでしょうか?

導入したのは、2018年の秋でした。当社はその夏に3回目の資金調達を終え、会社としては管理体制を整えながら事業を更に伸ばしていくという、まさに一層の拡大フェーズに入り始めたタイミングでしたね。

私はその年の6月に当社に出戻り、インターン含む全スタッフへの組織・事業課題ヒアリングを行ったのち、まず営業体制並びに管理体制の整備を主導していたのですが、当時は商品であるタブレットの管理・発送の状況があまりに酷くて…。日々の業務でも問題が発生していましたし、株主であるベンチャーキャピタルからも指摘を受けるような状況に、問題意識を強く感じていました。そこで規模やコストメリット、社内のリソースをふまえて解決策を検討した結果、在庫管理と発送をアウトソースするという結論に至ったのです。

在庫管理が徹底されず、
100台もの在庫が行方不明に
事業・経営にも悪影響が生じた

「当時は社員の問題意識にも部署で温度差があり、運用フローはあったものの徹底されていなかった。」

具体的には、当時の在庫管理・物流はどのような状況だったのでしょうか?

バックオフィス業務を担当する社員が兼任する形で、オフィス内の約1,000台のタブレットの在庫を管理していました。一応スプレッドシートを使用して管理してはいたのですが、管理できているようで全くできていなかったんですよ。

当時の運用フローは、
①中国のメーカーから在庫をオフィスに送ってもらいオフィスにて保管
②契約が決まれば各営業担当が必要数のタブレットを取り出して客先に持参
③持ち出したタブレットの情報をシートに記入する
というものでした。

しかし運用が徹底できておらず、営業がシートに申告した台数と違う台数を持って行ったり、デモ用に持参した分をシートに記入し忘れていたりといったことが頻発していました。また店舗から返却されたタブレットの管理もできておらず、シートに記入されないままの在庫がオフィスに積み上げられていたりもしましたね。

担当者も営業が持ち出すたびに毎回確認はできないので、最終的には100台以上のタブレットが行方不明の状態になってしまいました。

100台も!それだけの規模になると、会社としてかなり大きな問題ですね。

はい。事業の面でも経営管理の面でも、大きな問題となっていました。
まず事業面では、数が合わないので取引先に持っていく際に困る。せっかく契約が取れたのに、いざタブレットを持って行こうとするとスプレッドシート上はあるはずの在庫が足りないということがしょっちゅうでした

またどの契約先にどのタブレットが設置されているのかもきちんと管理されていなかったので、設置後のフォローもできていませんでした。その結果知らないうちに利用されなくなっていたり、タブレットが故障して修理や交換がされずにお店の裏に捨てられていたことも。他にも契約期間が終わったのにそのまま機材が置きっぱなしにされていたりと、本当に酷い状態でした。どれもきちんと管理とフォローができていれば、防げたはずなのに。

また社員にも在庫管理の意識が浸透しておらず、在庫管理の担当者は強く危機感を持っていた一方で、現場の営業スタッフにはそこまで危機感がなかったということも問題でした。

せっかく契約が取れたのに、それはもったいない…!経営面ではどんなことが課題でしたか?

在庫は資産なので、会社のコスト管理・資産管理が全くできていないという意味で非常にまずい状態でした。当時は株主からもお叱りの言葉をいただきましたね。会社の数字を提出したら、「でもこの数字は間違ってるってことだよね?100個分の在庫違算はどうなっているの?」と…。当然ですよね。

しかも在庫管理ができていないとデータに基づいた需給予測もできないので、商品の発注も完全に感覚値で行っていました。なんとなく「たしか今在庫が200台くらいだったな、じゃあそろそろ次のロットの発注かな」といった状態です。当然発注のペースはぐちゃぐちゃになり、その結果在庫の過不足で更に手間が増えていく…という悪循環でした。

導入以前は、恥ずかしながらこういった状況で。ここから解決に向けてアウトソーシング先を探すなかでオープンロジを見つけ、株主経由で紹介してもらい、導入に至ります。

導入の決め手は、
デバイス管理に必須のシリアルナンバー管理と
自社システムとの連携

他社とも比較し、機能面からオープンロジの導入を決定。
また導入に合わせ運用の見直しや社内トレーニングを行い、社内の意識改革にも成功したという。

アウトソース先を選ぶにあたって、重視されていたポイントは何でしたか?

まず必須の条件が2つありました。1つは発送にあたりタブレット端末ごとのシリアルナンバーの管理ができること、もう1つは自社システムと連携できることです。

なぜこの2つが重要かというと、各タブレットの稼動状況を自社システムで管理しているから。何番のシリアルナンバーの端末をどこに発送したかという情報と自社システムを連携させることで、管理画面上で各端末の設置先やリアルタイムの稼働状況が全て分かるようになるんですね。こうすることで、発送したのに使われていなかったり故障が疑われたりといった端末の状況が全て把握でき、営業が適切なフォローを行えるんです。

あとはスタッフの工数削減という点から、在庫管理だけでなく発送までお任せできることや、システムがなるべく使いやすいものであることも重視していました。それまでは営業がタブレットをスーツケースいっぱいに詰めて店舗に持参したり持ち帰ったりしていましたが、それらを営業が行うと手間もかかりミスも起きやすい。ですから工数をかけずにプロにお任せしたいと思っていました。

他社とも比較検討いただいたそうですが、最終的にオープンロジをお選びいただいた決め手は何でしょう?

1番の決め手は機能面でしたね。他にもう1社お話を聞きましたが、シリアル管理やシステム連携などのクリティカルな部分が機能的にカバーできていなかったので、最終的にオープンロジに決めました。

また価格面でもオープンロジは想像以上にお手頃だったので驚きましたね。僕らが素人なりに予想していた額の半分程度で済んだので、当時見積もりを見て良い意味で驚いた記憶があります(笑)。

導入決定から実際の導入まではスムーズに進みましたか?

かなりスムーズでしたね。問題が頻発したり、僕が対応に追われるといったこともありませんでした。

導入にあたり社内で工夫した点としては、導入を機に社内の運用フローやルールを設計し直して社員にトレーニングを実施したことです。
以前もスプレッドシートやルールは一応あったんですが、明文化されているわけでもトレーニングがあるわけでもなかったので、この時は僕から社員へトレーニングを行い在庫管理の手順と意識を浸透させていきました。営業からは今まで緩い運用が許されてきたぶん面倒が増えたという声も正直ありましたが、操作や使い勝手などに関しては大きな問題はなかったですね。
現在は、契約が決まったら営業から在庫管理の担当者へチャットツールで手配依頼を送り、担当者がまとめてオープンロジのシステム上から出庫依頼をする、という運用が徹底されています。

導入のメリット

「課題が解決でき事業活動が円滑になったことに加え、システムの使いやすさも魅力でした」

実際にオープンロジを導入して感じたメリットを教えてください。

メリット1 正確な在庫・発送先管理を実現。事業活動も円滑に

在庫管理が徹底されたことで、今まで大量に発生していた在庫違算が解消され、正確な在庫数がいつでも把握できるようになりました。また発送先情報と自社システムとの連携によりタブレットの設置先や稼動状況なども正確に把握できるようになったので、消費データの収集や営業の顧客フォローにも役立っています。

メリット2 社員の工数を大幅カット

導入により物流業務にかかる工数をカットできました。
具体的には、営業担当の場合は運用ルール自体は従来より厳しくしたにも関わらず以前の2~3割ほど工数が削減されています。

管理担当者もタブレットを数えたり数字を集計したりという作業が無くなったので、工数は半分程度になっています。以前は毎日1時間以上かけて手作業でタブレットの数を数えていたのですが、現在はオープンロジのシステム上で実績の確認をしたり、各営業社員から届く出庫依頼をシステムに反映するだけでいいので楽ですね。担当者も導入後『今まではおかしかった。これがあるべき在庫管理ですよね。』と言っていました。

メリット3 直感的に操作ができる、非常に使いやすいシステム

実際に使ってみて魅力に感じたのが、システムの操作画面が分かりやすく、非常に使いやすいこと。僕らのような在庫管理や物流の素人が使っても、直感的にどこを押せばどういう操作ができるということが分かるので、いちいち資料を見ないと使い方が分からないといったことがないんです。

個人的にあまりに気に入ったので、当社のプロダクト開発のチームに見本として紹介したこともあるくらいです(笑)。我々もシステムを開発してお客様に管理画面を提供しているので、オープンロジの画面を見せながら「うちもこれだけ直感的に分かりやすい画面設計にしないと!」なんて話をした記憶があります。

その他に導入してみて感じたことはありますか?

便利だと思ったのは、契約の決まったタブレットを一時的に取り置きたいという場合に、システム上で取り置き状態にしておけることですね。以前は同様の場合、オフィスにある在庫の山から必要分を取り分け名前を書いた紙を貼っておく、という非常にアナログな管理だったんです。それによって取り置き分をシートに記入し忘れたり、キープしたのを忘れたまま半年オフィスの隅に置きっぱなしたりと在庫違算が発生していました。当社の場合は契約し導入台数が決まってから店舗ごとの設置台数を振り分けていく、というケースがよくあるので、取り置きがシステム上でできるのは非常に便利です

そして何より嬉しく感じたのは、導入を経て在庫管理が重要なんだという意識が社員に浸透してきたことです。導入前は本当にその意識が薄くて…社内向けのトレーニングでは、在庫管理の目的とは?といった初歩からスタートして、「在庫は資産=お金!誰でも自分のお金は大事に管理しますよね?それと同じです!」という話を、1か月間くらい毎日話した気がします(笑)。
でもこうしたトレーニングや導入があって、皆少しづつ意識が変わっていった。今のようにきちんとした運用が当たり前になるなんて、導入以前ではちょっと考えられなかったです。

「スタートアップも早期から
在庫管理に取り組むべき」
基盤をもとに、更なる事業拡大へ

課題を乗り越え更なる拡大を目指す同社には、展望とともに在庫管理に悩む方へのメッセージをいただきました。

今後の展望と、オープンロジに期待することを教えてください。

これまではオフラインにおける消費行動のデータと多言語化された商品データを収集してきました。今後は将来的なオンラインとの統合も見据え、より様々な消費行動のデータを収集・分析していきたいです。そして、そこから生まれる最適な情報の流通を通じて、消費者の購買意思決定に影響を与え、世界の買い物消費高を上げるという当社のミッションを達成したいと考えています。

物流の面では、データを生かした需給予測や発注管理に取り組んでいきたいですね。オープンロジの導入で正確に在庫データが取れるようになったものの、まだそのデータを活用しきれていない部分があるので、次の一歩として今後取り組みたいと考えています。

また期待する点としては、契約期間が終わった際の機材回収のフローがもうひと手間減らせると有難いです。契約期間終了後の機材は初期化や箱入れ・シリアル確認などの作業があるため一度当社を経由してオープンロジの倉庫に戻しているんですが、将来的にここまで完全にお任せできたら、さらに便利だなと思います。

弊社もより良いサービスを提供できるよう努めてまいります。では最後に記事をご覧の方へメッセージをお願いします。

事業拡大のタイミングにおいては、どうしても営業などプロフィットの部分に目が行ってしまい在庫管理は後回しになりがちです。けれど経営の観点から、在庫は管理すべきコストであり非常に大事な資産であることを忘れてはいけないと思います。

スタートアップは人的・資金的リソースに限りがありますが、経営の観点でも、また社内に仕組みが定着するまでには一定の期間が必要という点からも、在庫管理の仕組みは早いうちに構築するべきだと思います。

オープンロジは在庫管理から発送までワンストップで任せられるので、本当に助かっています。画面の使いやすさもAPI連携等のシステムの柔軟性も非常に高いので、ぜひ一度検討されてみてはと思います。

インタビュー後記

今回初めてEC以外の事業でオープンロジを利用するお客様にインタビューをさせていただきました。そのなかで特に印象的だったのは「どうしても営業などプロフィットの部分に目が行ってしまい在庫管理は後回しになりがち」という言葉です。
EC事業や物販を中心とした事業者様は在庫管理が販売・口コミなどのプロフィットに直結しやすいため、良くも悪くも比較的早期に問題が顕在化するケースが多いように感じます。一方そうでない場合は在庫管理が致命傷になりづらいからこそ後回しにしがちで、問題が顕在化した時にはかなり深刻な事態になっていた…というパターンに陥りやすいのではないでしょうか。
そして在庫管理ができていないことはじわじわとプロフィットの部分にも悪影響を与えます。ビジネスチャンスを最大限活かせない・無駄な手間をとられてしまう・会社として経営の信用に関わる…。成長のアクセルを踏むタイミングで、こういった事態は極力避けたいところです。
今回インタビューさせていただいたPayke様も、こうした経験を乗り越えたからこそ「スタートアップも早期から在庫管理の仕組みを構築するべき」と力強いアドバイスをくださいました。そんな同社からはオープンロジについて下記3点をご評価いただきました。

1. 正確な在庫管理・発送先管理を実現。顧客フォローなど事業活動も円滑に
2. 社員の工数を大幅カット。在庫管理に関する社内の意識も変わった
3. システムは直感的に操作ができ、非常に使いやすい

オープンロジの導入と共に社内の意識改革を行い、在庫管理という成長基盤を整えることに成功したPayke様。「世界の買い物消費高を上げる」という大きなミッションの実現に向けさらなる拡大を目指す同社を、オープンロジは今後も物流面からサポートしてまいります。

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